子育ては試行錯誤であり、奇跡である

9月 2日(金) 3日(土)放送の「積木くずし真相 〜あの家族、その後の悲劇〜」について、書くのを躊躇していたが書くことにする。原作は穂積隆信『由香里の死 そして愛〜積木くずし終章』(アートン、2004年)。

「レイプされたんだよ」とか、助けてほしい時に両親ともいなかった、両親の不仲を心配した、でも非行に走った理由はたぶんそれだけじゃないだろう。話を単純化してわかりやすくしてしまっているような気がする。「人間交差点」矢島正雄らしい脚色とも言える。原作は読んでないので知らないが読んでもたぶんわからないだろう。「真相」はどこにもない。人の心はもっと複雑であり、いろんなきっかけと絡み合ってそうなったと考えるしかない。

藤木直人演じる編集者が「あなたが殺したんだ」と父親を責めるが、娘の友人という設定だから仕方ないとはいえ、ノートを読んだだけで「代弁者」として知ったかぶるのはよくないと思う。視聴者にも誤解を与える。父親としては確かにあの時娘は非行から立ち直ったと思ったんだろう。人間は誰でも誤りを犯すものである。校内暴力や少年少女の非行が社会問題となっていた時代背景で、自らを過信し教育評論家気取りとなってしまったのは悪いが、それをもてはやした世間にも罪がある。「私は大丈夫だから」という「偽りの笑顔」も、ノートから故人を想像しているに過ぎない。故人の遺志を安易にわかろうとしてはいけない。

俳優の娘として生まれ、非行に走った話を実名で本に書かれ、その本がベストセラーとなり TV ドラマ化もされ話題となった、それは確かに不幸である。でも海外留学してからも非行を繰り返したのはなぜなのか。「真相」は誰にもわからない。

子育てというのは誰にとっても初めての体験があり、試行錯誤をいくら重ねていっても完璧な正解というのは見つからない。子供を非行から立ち直らせたと思って過信することもあるだろうし、なんとなく放任していても運良く子供が非行に走らない場合もある。そう考えると自分や自分の家族が平穏無事に暮らせているのは、奇跡なんだろう。ドラマは悲劇の連鎖であり、その他の多くの人々は奇跡の繰り返し、そう考えるしかないだろう。僕はどんな質問に対しても自信満々に答える教育学者や教育評論家というのを信用しない。そういう人々をもてはやすマスコミも信用しない。子育てのプロなんて存在しない。

ところで穂積隆信といえば「バック・トゥ・ザ・フューチャー」シリーズが TV 放映された時の吹き替えでクリストファー・ロイド(ドクター・エメット・ブラウン)の声を当てていた。舞台で「リア王」や「ロミオとジュリエット」を演っている舘ひろしのセリフ回しを聞いて、あの渋い抑揚のある流暢な口調を思い出した。「バック・トゥ・ザ・フューチャー」の最初の TV 放映は「日曜洋画劇場」で 1988年頃だったか。ちなみにマイケル・J・フォックスの声はアニメ「タッチ」で上杉達也をやった三ツ矢雄二。なぜかその後「ゴールデン洋画劇場」で織田裕二・三宅裕司バージョンもあったが。

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