若手に作らせたベタの誤算

設定も役者も使いこなせていない。「ガチバカ!」(TBS 系木曜 22時〜)にはそんな印象を受ける。

ストーリーはいたってベタ。今までの学園ドラマで一度は取り上げられたような話ばかり。それを若手の脚本家・演出家に任せて新鮮な感じにしたかったんだろうが、どうやら誤算だったようだ。

登場人物のセリフはあまりドラマっぽくない。TV ドラマというのは基本は演劇であり、例えば「渡る世間は鬼ばかり」の登場人物がみんなおそろしく饒舌なのは、視聴者に対して状況をわかりやすく説明するためでもある。一般人が日常生活であんなに喋りまくるわけがない。「古畑任三郎」で田村正和がスポットライトを浴びて視聴者に語りかけるシーンは舞台演劇の手法を応用したものだろう。でも最近の TV ドラマでは、登場人物のセリフがあまりセリフっぽくなく、自然体を目指したものがあるようだ。例えば昨年の「野ブタ。をプロデュース」。実はなぜこのドラマがヒットしたのか俺にはいまだにわからないのだが。

セリフがドラマっぽくないせいなのか、それとも演出の仕方が下手なのか、話がちっとも盛り上がらない。なんとなく始まっていつのまにか終わっているといった感じである。北村総一朗とか沢村一樹とかいい役者がいるのに、脇役の味のある演技も見られない。もったいない。高橋克典のボクシングの話もほとんど出てこないし、もっといろいろ活用できるだろ。ワカのパイとか。サブストーリーのような形で黒川智花の過去とトラウマみたいなのがあるようだが、あんまり小出しにしすぎなんでそこに引きつけられることもない。

たぶんドラマの企画段階で大まかなストーリー展開とキャラクター設定、人物相関、配役まで決めておいて、あとは若手プロデューサー・脚本家・演出家に任せたら、こんなん出来ましたけど、ってなトコなんじゃないか。ジャニーズ系とかグラビアアイドルとか(井上和香含む)数人入れて学園ドラマでも作ったらそれだけで視聴率取れるだろ、なんて、チーフプロデューサー貴島誠一郎ほどのベテランがそんな安易な考えでドラマ作るとは思えない。チーフプロデューサーという肩書きは名前を貸してるだけで現場には一切関わってないんだろうか。

ベタなストーリーほど難しい、といういい例である。これと対照的なのが「喰いタン」(日本テレビ系土曜 21時〜)。推理もの 2時間ドラマを 1時間に短縮したような内容であるが、2時間ドラマの冗長な部分をバッサリ省略してもわかりにくくはなってないし、原作があるとはいえ人物相関もそれなりに奥行きがあり、時々遊びを織り込む余裕もある。ベタなストーリーを面白く見せるにはベテランの熟練の技が必要であることがよくわかる。

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