作り手は楽しんでいても、テレビは小劇場ではない

「下北サンデーズ」(テレビ朝日系木曜 21時〜)

原作石田衣良・演出堤幸彦・主題歌藤井フミヤというのを放送開始前にアピールしていたと思うが、主題歌藤井フミヤはどうでもいいだろ、今どきトレンディドラマの時代じゃあるまいし、と思ったらドラマのエンドロールに「原案石田衣良 藤井フミヤ 堤幸彦」とある。どういうことかと思ったらこのドラマおよび原作の小説は、雑誌「papyrus」(幻冬舎) 3号での 3人の鼎談が出発点らしい。その鼎談というか「特別企画会議」を原案として、小説担当石田衣良、ドラマの演出担当堤幸彦、ドラマ主題歌とついでに出演担当藤井フミヤということか。

原作石田衣良・演出堤幸彦は「池袋ウエストゲートパーク」(TBS系2000年 4月〜 6月)以来とのことだが、TV ドラマは原作よりも脚本が重要だろう。あれが成功したのは宮藤官九郎の脚本が良かったからとも考えられるので、今回の脚本「河原雅彦ほか」にも注目。でも第 3 話・4 話が 2人の共同脚本なのはいいとして(演出は丸毛典子)、第 5 話以降はまた脚本家が代わるようで、なんだか迷走してる感あり。それとも当初からいろんな人に書かせるという方針だったのか? 小劇団の話なので多くの劇団関係者に参加してもらうとかいう。

第 1 話はほとんど見逃して 9:46 くらいから観たんだけど、オーディションがどうとか言っている時に劇団☆新感線こと古田新太がやって来て、ああこれはオーディションのサプライズゲスト審査員として古田新太を呼んだんだな、と思って観てたらそうじゃなかった。第 2 話以降もひねりのない、いつかどこかで見たような普通のストーリー。座長が主人公に才能を見出してるようで実際は 8割がた男としての下心だったり、看板女優が元アイドルだったり、故郷の母親に見栄張って嘘ついてる劇団員がいたり。どうしてこんなにつまらないのだろう。それで、これはこのドラマ自体が小劇場の演劇風に作ってあるんだ、だからひねりも新鮮味もない普通の話ばかりなんだ、と解釈することにした。そう考えると座長が、新作は今までにない傑作ができるとか、最高の通し稽古だったとか、ひとり悦に入っていてもツッコミが一切入らないのもわかる気がする。そういう自己陶酔とか、演劇論とかいう屁理屈とか、小劇団を支える下町の人情とか、そういうのを小劇場の演劇風に素朴に表現したかったんだろう。でもテレビは小劇場ではない。狭い空間でライブで観るような臨場感は味わえない。低視聴率なのはその辺が原因だろう。

ビンボーだけど前向き、とか言ってるようだが、ビンボーはたいてい前向きである。少なくとも物語の世界では。昨年 TV ドラマ化された「花より男子」(※1)の主人公もそうだったし、貧乏な小劇団といえば1997年、1998年に TV ドラマ化された「ガラスの仮面」(テレビ朝日系、主演安達祐実)で免疫ができている。

ただ俺としては、上戸彩が魅力的なのでそこだけ見ている。あの思いっきりふっ切れてるわけでなく、臨界点に達する少し手前のような微妙な演技が逆にいい。上戸彩だけが目当てで観るのは「エースをねらえ!」(テレビ朝日系2004年 1月〜 3月)以来だな。以前「上戸彩は嫌い」と書いたが初めから嫌いだったわけではない。6月までやっていた「アテンションプリーズ」がコメディというものを誤解してませんか?な印象だったのでほとんど観なかったが、観なくてよかった。オロナミンC の TVCM「関ジャニ入らへん?・特訓」篇30秒バージョン(※2)で

上戸: サンキュー。
錦戸: それ英語やん。

と言われた時の上戸彩の表情がなんとも、いとあはれな気分だコノヤロー!(「マイ☆ボス マイ☆ヒーロー」第 3 話より)

堤幸彦は女優さんの魅力を引き出すのが上手なのでそこは期待どおりだった。「ケイゾク」の中谷美紀、「池袋ウエストゲートパーク」の加藤あい、森下愛子、「トリック」の仲間由紀恵、「STAND UP!!」の鈴木杏など。いまさら堤幸彦に小ネタは求めないけど、「トリック 新作スペシャル」で富市山村の地図にある「鈴木庵」を仲間由紀恵がチラッと見て、一瞬嫉妬するような表情をして立ち去る、こういうのは好き。

ところでこのドラマと同じく原作石田衣良・脚本河原雅彦ほか・制作オフィスクレッシェンドのドラマを見つけた。

アキハバラ@DEEP

第 3 話〜 6 話までしか観てないけどこっちの方がシンプルでわかりやすい。上戸彩と小阪由佳どっちを選ぶか? 小阪由佳に決まってるじゃねえか。映画も作られるようで映画版は山田優だそうだが、小阪由佳と山田優どっちを選ぶか? 小阪由佳に決まってるじゃねえか。9月27日の DVD 発売前にオフィシャルブログの更新を再開してくれ。

※1「花より男子」が復活!続編望む声届く (Sponichi Annex、2006年 8月 4日)

来年 1月から続編放送とのこと。視聴者参加型となると、放送開始後もネットの反応を意識しすぎて物語が途中から破綻していったりしないかちょっと心配。でも原作がしっかりしている(と思う。読んでない)のでそこさえ忘れなければ大丈夫かな。

※2 CM情報|OTSUKA ADVIEW SITE|大塚製薬

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