広角を捨ててもテレマクロは捨てられない

直前の記事で RICOH Caplio R6 の購入をやめると共に広角も捨てたのであるが、マクロだけは捨てるわけにいかない。現在所有している銀塩コンパクトと銀塩レンジファインダーではどうしてもマクロと中望遠〜望遠が撮れない。望遠にはあまり関心がないがマクロだけは欲しい。ということで本当ならデジタル一眼レフ、ということを昨年2006年12月の記事で書いたのだが、4月末のこの記事に書いたように E-410 はもう一息、ZUIKO DIGITAL レンズの本命は2008年発売予定の 100mm 前後のマクロであるから急ぐ必要はない。だから E-510 も選ばない。

マクロについては実焦点距離の短いコンパクトデジカメでも最短撮影距離が数 cm であれば背景をぼかす描写ができるようだ、ということを4月14日のこの記事で書いたが、それでも主に使用するのはテレ端でのマクロである。OLYMPUS μ780 のスーパーマクロはワイド端 36mm 相当の画角に固定されるが、ワイド端ではやはり被写体の歪みが大きくなる。μ780 のワイド端は歪曲収差を画像処理エンジンで補正しているようだがそれとは関係ない。Caplio R6 にしたとしても主にテレマクロで撮ると思う。

そこで一つめの候補とした Canon IXY DIGITAL 810 IS であるが、これはテレ端実焦点距離 23.2mm で開放 F5.5。これまで使ってきた Canon PowerShot S30 のテレ端 21.3mm 開放 F4.9 で背景がほとんどボケないので、23.2mm F5.5 でも似たようなものであろう。「セーフティズーム」という画像の中央部分を切り取るズーム機能を利用すると、キヤノンのサイトによれば 2048 x 1536 ピクセルで光学 4倍と合わせて 6.4倍、224mm 相当の画角になるが、被写界深度は 23.2mm F5.5 のままである。μ780 のテレ端 32.0mm F5.0 の方が被写界深度は浅いので、背景をぼかす描写をしやすいだろう。

「ISO ブースター」機能では ISO 感度を 1/3 段ずつ増感できるようだし、シャッター半押しで液晶モニターに絞りとシャッター速度が表示されるようになったし、IXY DIGITAL シリーズは AF ロック / AE ロックがそれぞれ単独で行えるのもいい。シャッター半押ししながら十字キー左で AF ロック、十字キー上で AE ロックだったか。「ファンタジーナイトモード」では夜景ポートレート撮影等で背景の点光源を星の形にしたりできるようだが、人物の瞳にキャッチライトを入れると目がハートマークになったりするんだろうか。キヤノンの ISO 感度が信用できないというのを忘れてしまえば IXY DIGITAL 810 IS は非常に魅力的な製品であることは間違いない。俺のようにテレマクロ最優先でなければ。

【実写速報】キヤノン IXY DIGITAL 810 IS (デジカメWatch、2007年 6月 5日)

【新製品レビュー】キヤノン IXY DIGITAL 810 IS (デジカメWatch、2007年 6月11日)

それから IXY DIGITAL 810 IS の絞りはワイド端で F2.8 / F8 の二段となっているようなのである。昨年の IXY DIGITAL 800 IS は F2.8 / F5.6 だったようだが、F8 ではせっかくワイド端で最短 2cm まで近付いてもかなり被写界深度が深くなってしまうだろう。もちろんマクロだからといって常に背景をぼかすわけではないが。

次に二つめの候補、SONY Cyber-shot DSC-T100 について。もともとソニーのコンパクトデジカメは、T*コーティングしてないのに Carl Zeiss レンズを名乗るなんて許せないという理由で無視してきたのだが、それを除くとこの Cyber-shot T100 はかなり魅力的である。

ところで μ780 の「顔検出逆光補正機能」は「Apical Limited の特許技術を使用しています」とカタログにあるが、これは α100 に搭載されている「Dレンジオプティマイザー機能」が使用している技術と同じもののようだ。

Latest Olympus camera uses Apical technology (Apical Imaging)

Engines – iridix (Apical Imaging)

New Sony Alpha D-SLR uses Apical technology (Apical Imaging)

Cyber-shot T100 も「Dレンジオプティマイザー機能」を搭載している。μ780 の最大の強みが「顔検出逆光補正機能」、というよりこの技術を応用したと思われる「逆光自動調整」という撮影済み画像の編集機能だと思っていたのだが、Cyber-shot T100 がこの「Dレンジオプティマイザー機能」で撮影時に逆光補正してくれるならそっちの方がいいだろう。いったん JPEG 圧縮してしまった撮影済み画像を編集して別ファイルを作成するとどうしても画質劣化は避けられないだろうから、逆光補正してから JPEG 圧縮してくれるならその方がいい。撮影時にどのような操作が必要なのかわからないが。μ780 の撮影済み画像編集機能には「明るさ調整」もあるので、「逆光自動調整」は単に画像全体を明るくするだけではないだろう。ちなみにこの Apical 社の iridix という技術は Nikon COOLPIX シリーズ搭載の「D-ライティング」という撮影済み画像編集機能でも使用されているようだ。

Nikon Coolpix uses Apical technology (Apical Imaging)

ニコンのデジタル一眼レフや RAW 画像現像・編集ソフトにある「D-ライティング」もこの特許技術を使用しているのかはわからない。ともかく E-410 が白飛びしやすいと言われたのは「Dレンジオプティマイザー」「D-ライティング」のような機能がないせいかもしれない。E-システム第二章に入ったとはいえ他社と比較するとまだ周回遅れのようだ。

顔認識や高感度機能がついたハイエンドサイバーショット——ソニー「DSC-T100」 (ITmedia +D LifeStyle、2007年 3月 1日)

【実写速報】ソニー サイバーショット DSC-T100 (デジカメWatch、2007年 4月 9日)

ソニー「Cyber-shot T100」実写インプレッション (マイコミジャーナル、2007年 4月16日)

3型液晶と5倍ズームレンズのカード型モデル「Cyber-shot DSC-T100」 (デジタルARENA、2007年 5月 8日)

【新製品レビュー】ソニー サイバーショット DSC-T100/T20 (デジカメWatch、2007年 5月 9日)

Cyber-shot T100 のテレ端は 29.0mm 開放 F4.4 であるし、高感度も有効800万画素の割に ISO400 まで使えそうである。ここまで良ければ死角はないのではないか、と思ったら小刻みに絞ってしまうようである。レビュー記事の作例を見るとワイド端で F3.5、F4.5、F5.6 のものがある。シャッター最速 1/1000 秒となっているせいなのか。マクロ最優先だからワイド端でもテレ端でもできるだけ開放で撮りたいのに、勝手に絞られてしまうと困る。本当なら絞り優先 AE で撮りたいのを低価格機でなんとかするために、低感度に固定したりテレ端にズームしたりしようかと思っているのに、テレ端でもすぐ絞ってしまうのであれば思い通りに撮れない。例えばデジタルARENAのレビュー記事 2ページ目の葉牡丹の写真、テレ端で ISO100、1/400 秒、F7.1 ではなく F4.4、1/1000 秒となってほしい。最低感度の ISO80 に下げれば F4.4、1/800秒となるのだろうか。でもその隣のビル群の写真がワイド端で ISO80、1/400 秒、F5.6 となっている。F3.5、1/1000 秒でも F4.5、1/640 秒でもない。

これに対し μ780 はワイド端で F3.3 / F5 の二段しか見かけない。テレ端では F5 / F8 の二段のようである。

【実写速報】オリンパス μ780 (デジカメWatch、2007年 4月23日)

コンパクトデジカメ春夏モデルピックアップレビュー – オリンパス「μ780」 (マイコミジャーナル、2007年 4月24日)

【新製品レビュー】オリンパス μ780 (デジカメWatch、2007年 5月14日)

μ780 の作例の Exif データを見ると解像度が 314 x 314dpi となっているとこの記事で書いたが、マイコミジャーナルのレビュー記事にある作例のうち縦位置になっているものはオリジナル画像も縦に回転されていて、それは 72 x 72dpi となっている。これまで Canon PowerShot S30 で縦位置で撮ってカメラ内で回転させても解像度は 180 x 180dpi のままであった。この頃の製品にはカメラが縦位置になっていることを自動認識する「SIセンサー」はまだ搭載されてない。

最後に、直前の記事で書いた条件に合致する三つめの機種として CASIO EXILIM Hi-ZOOM EX-V7 も見つかったが、シャッター最速 1/800 秒である。せっかく絞り優先 AE があるのに最速 1/800 秒では明るい所で開放にできない。といっても最低感度 ISO64 であるからズームすれば開放にできるか。選択できる絞り値は 3段。それよりマクロモードの最短撮影距離がワイド端 38mm 相当で 10cm、テレ端 266mm 相当で 1m のようである。ワイド端、テレ端ともに少し遠い。ああ、でも「HDズーム」を利用すれば 2048 x 1536 ピクセルでテレ端 399mm 相当になるのか。

【新製品レビュー】カシオ EXILIM Hi-ZOOM EX-V7 (デジカメWatch、2007年 2月23日)

気になるデジカメ 長期リアルタイムレポート カシオ EXILIM Hi-ZOOM EX-V7

【第3回】横須賀で望遠スナップ (デジカメWatch、2007年 4月23日)

【第4回】あえて望遠マクロに挑戦 (デジカメWatch、2007年 5月 7日)

なお SANYO Xacti シリーズや Canon PowerShot TX1 のようなコンパクトカメラっぽくない外観のもの、Nikon COOLPIX S10 のスイバルデザインは好みでないので候補にしなかった。

追記: 7月 4日

EXILIM Hi-ZOOM EX-V7 について、シャッター速度優先 AE が ISO オート(64〜250)のみとか、マニュアル露出は ISO64 に固定とか、絞ると背景のボケがひし形になるとかいうのはなんとか我慢できるが、レンズの歪曲収差は我慢できない。ワイド端の樽型の収差はまだしも、テレ端の糸巻き型の収差は受け入れられない。テレマクロを多用するであろう者として。

【実写速報】カシオ EXILIM Hi-ZOOM EX-V7 (デジカメWatch、2007年 3月26日)

リンク先の画像を等倍で見なくてもサムネイルだけでも収差がわかる。テレ端最短撮影距離が遠いからといっていつも「HDズーム」にするわけではないし。それにテレマクロだけでなくワイド端のマクロも撮るから、ワイド端最短 10cm はどうにもならない。

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