あえて不謹慎な事も言ってみる医者

コード・ブルー ドクターヘリ緊急救命」(フジテレビ系木曜 22時〜)というドラマについて書こうと思ったら、毎回盛りだくさんの内容なんで 5 話まで観たら 1 話や 2 話はほとんど忘れてしまっていた。公式サイトの「Story」で内容確認したけど、特に書く事ないか。それに医療について何か書こうと思ったら、たいていの事は一昨年2006年のドラマ版「Ns’あおい」「Ns’あおいスペシャル」(※)の時に書いてしまっていた。

それで、このドラマを観ていて気になった点をいくつか挙げておく。

  • 医者は外科医だけではない
  • 患者あっての医者であり、患者は医者の出世の道具ではない
  • 患者や医療と無関係な一般人は、医者の出世に関心がない
  • 医療は万能ではない

4つ目に関しては 4 話でそんな話が出てきたか。まだ21歳の患者に後遺症が残るという告知をなかなかできないという話で。1 話でも現場の工場でいきなり腕を切断するというのがあった。現場に医者が来てくれるだけまだいい方で、医者も救急車も来る間もなく事故死とか、クモ膜下出血とか、そういうのを俺はこれまでの人生で何度も聞いてきた。最近は自殺なんてのもあった。お医者さんのおかげで奇跡的に助かったなんて話は聞いたことがない。だから俺は医者に過度な期待はしない。

このドラマは医者や看護師の視点から描かれているが、医者が経験を積んで信頼される医者として出世していくかどうかなんて、医療を受ける我々一般人にはどうでもいいことである。特に救急医療の場合、患者は医者を選べない。救急車で搬送された病院に設備が整っているか、高い技量を備えた医師がいるか、ましてやドクターヘリが飛んで行ける地域なんて限られている。となると現実には、一昨年のドラマ版「Ns’あおい」や「Tomorrow」(TBS系日曜 21時〜)第 1 話のように、医師法違反でも看護師が医療行為をしようとする状況もあり得る。その「Tomorrow」第 1 話なんだけど、そんな半泣きで手も震えながらやろうとしないでくれよ。やるなら覚悟を決めて冷静にやる。やらなくてもそれを非難はしないだろう。看護師や医者は頼れる人であってほしいし、頼れないなら諦める。それが地域格差も含めた医療の限界だと思っている。

「コード・ブルー」で山下智久が演じている医者は、ドクターヘリで現場に行って処置するのが面白いとか、手術の経験を積み重ねたいとか、患者を「練習台」「踏み台」にして自分は「名医」になってやるという、少し不謹慎にも聞こえるセリフをあえて言わせているんだろうな。それがまさしく医者の視点から見た救急医療である。我々医療を受ける側は結果さえ出してくれればそれでいい。不謹慎であってもそれがモチベーションになっているのであれば。で、新垣結衣あたりがそこまで言わない医者として設定されていてバランスを取っている。

あとはもう、医療マニア向けじゃないかと思うくらいいろんな話が出てきて大部分は観終わると忘れちゃうんだけど、3 話だったっけ、医者をなかなか信用しない患者が出てきたのは。弁護士なんで何かあったら医療裁判起こすとか言ってた患者。俺自身も十数年前に入院した時は薬の副作用での入院だったので、医者に対して不信感の塊だった。でも主治医でないある医者の診察を受けたら、なぜかその不信感が見事に溶解していった。その時は病気とは全く関係ない話題から始められて、その医者の話術というのか、うまく乗せられていつのまにか気を許してしまっていた。不思議な体験であった。もちろん内科医だけれども、名医というのはこういう人のことなんだろうと思った。その後は主治医に対しても、この医者は頼りないけれどもこっちがそれを理解してやればいいか、そんなに難しい治療があるわけじゃないし、それにこの病院は同じ科に複数人の医者がいて回診でいつも一緒に回ってくるので、他の医者の話も聞けるし、と割り切ることにした。こういう医者の話術的なものはこのドラマには期待してない。

医療の限界という話は 5 話でも爆発事故の現場であったが、確かに医者にできることには限界がある。救えない命もある。自分や自分の家族・知人が事故に遭ったりしたら、俺だったら割と早めに諦めるかもしれない。でもみんながそうではない。医者にも限界がある、ということを医者が知っておくのは大切だが、医者が自分の死生観を患者に押し付けてはいけない。そういう現場では医者はただ患者を救うため全力を尽くすのみである。年金のため 1か月でも長く生きてほしいから手術を受けさせたい、というのもその家族のプライベートな事情であって医者が口出しすることではない。こういう場面でも医者は歯痒い思いをするんだろうか。

※ 「Ns’あおい」2006年 1月 – 3月フジテレビ系、2006年 1月22日の記事
「Ns’あおいスペシャル」2006年 9月26日フジテレビ系、2006年10月 2日の記事
ちなみにこれにも柳葉敏郎が医者役で出ている。

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