顔検出あってのデジカメ

所有している銀塩カメラはコンパクト機とレンジファインダー、レンズは単焦点 35mm と 50mm、前者は AF で後者は MF。ほとんどの写真はこれだけで間に合ってしまう。広角も望遠もマクロもないが、被写体に近づいたり後ろに下がったりすることである程度なんとかなる。マクロや望遠に関しては、肉眼で見えない世界まで撮りたいとは思わないのであまり関心がない。たぶん一眼レフで光学ファインダーを覗いて撮るという体験をしたことがないからだろう。

銀塩 135 フィルムの販売と DPE サービスが現状のまま継続される限り、銀塩カメラをメインで使用していくつもりである。デジカメで撮ってプリントは少しだけにしてあとはデジタルフォトフレームで鑑賞するというスタイルの方がコストはかからないけれども、デジカメは撮像素子も画像処理も、そしてレンズもまだまだ改善の余地があり、今買ったものが10年後も技術・性能面で陳腐化しないなんてことはない。それならとっくに技術が成熟している銀塩カメラだけを使い続ける方が、デジカメの新技術の情報に振り回されることもないので安心である。

むしろデジカメなんていらないんじゃないか?そりゃ銀塩フィルムの製造に必要な資源は有限だけれども、と思ったりもするが、たまに子供を撮ってみたりすると、やっぱり顔検出機能はあった方がいいな、これはデジカメでなきゃ実現しないよな、と再認識させられる。

昨年も書いたことだけれども、子供を撮るには被写体ブレを防ぐために明るいレンズで高感度、合焦の速い AF、できれば顔検出、となるので高感度を考えるとデジタル一眼レフが最適となる。銀塩 AF 一眼レフで測距点が多ければなんとかなりそうだがこれはそのうち絶滅するだろうし、露出もフラッシュ調光も顔に最適化してくれるデジタルの方が確実だろう。フォーサーズ/マイクロフォーサーズのようにライブビューと顔検出 AF で顔にピントを合わせて撮るか、キヤノンの「オートライティングオプティマイザ」のように撮影後に画像処理でなんとかするか。どちらかというと顔検出 AF の方が有利だと思う。

子供の顔の表情は目まぐるしく変わるので、今だ!と思った瞬間にシャッターを切らなければならない。最適な構図を探っている暇もない。銀塩コンパクトの AF だとどこにピントが合ったか確認できないので顔でなく背景にピントが合ってしまったなんてことがある。顔検出 AF 搭載のコンパクトデジカメだと高感度に弱い。昨年購入したオリンパス μ780 は顔検出 AF 非搭載だが、富士フイルム FinePix F31fd がベストの選択肢だったか、と今になって少し後悔している。それでも使えるのは手ブレ補正なしの ISO800 までで、ポートレートで人物の背景をきれいにぼかしたいという欲求には応えてくれない。被写界深度を浅くするには実焦点距離の長い、明るいレンズで撮る必要があり、それでポートレート向きの画角を得るには大きめの撮像素子が必要になる。なおかつ高速に合焦する顔検出コントラスト AF となると、現状ではフォーサーズ/マイクロフォーサーズが最適となるだろう。

デジタル一眼レフが最もアピールすべきは顔検出機能じゃないのか。広角は 135 サイズ(いわゆる 35mm 判フルサイズ)センサー機が高価なうちは銀塩の方が安く揃うし、コンパクトデジカメでもなんとかなる。マクロも銀塩 MF 一眼レフで大体間に合いそうである。超高感度も実用的な画質が得られるのは 135 サイズ機のみ。野鳥撮影など AF 必須の超望遠くらいか、デジタル一眼レフが有利になるのは。もちろん撮影時のコストが低いとか、失敗写真をすぐさま確認して撮り直せるとか、ISO 感度を自由に変更できるというメリットもあるがそれはコンパクトデジカメも同じである。

じゃあ現行のフォーサーズ/マイクロフォーサーズのボディで満足なのかと言われると、パナソニック LUMIX L10 や G1 は確認してないが、オリンパス E-420 / E-520 には大いに不満がある。ライブビュー撮影にコントラスト AF を導入したことで操作体系がものすごく複雑になってしまった。ライブビュー時のフォーカスロックとか、コントラスト AF 非対応レンズと対応レンズでの動作の違いとか。例えばコントラスト AF 非対応のマクロレンズで拡大表示枠を任意の位置に移動してそこでピント合わせして撮るとか、一度手順を覚えてしまえば簡単なのかもしれないが、それにしても煩雑である。

気になるデジカメ 長期リアルタイムレポート オリンパスE-520【第2回】説明書には載っていないコントラストAFの裏技 (デジカメWatch、2008年 6月25日)

この仕様は 4月に E-420 が発売された直後から指摘されていたように記憶している。

具体的には「LV 中 AF」を「ハイブリッド AF」、フォーカスモードを「S-AF + MF」、マニュアル露出モードにして絞り・シャッター速度・ISO 感度・ホワイトバランス等露出に関する項目は最初にすべて決めておく。ライブビューにして拡大表示枠を任意の位置に移動して 7倍または10倍に拡大し、そこでシャッター半押し、合焦マークが点灯して必要ならば MF で微調整(シャッター半押ししながら)、そしてその拡大表示状態のままシャッター全押しして撮影。位相差 AF が作動せずに撮影される。

フォーサーズは位相差 AF もコントラスト AF も使えるだけでなく、コントラスト AF 対応レンズと非対応レンズがあるからこんなややこしいことになってしまった。だから常時ライブビューでコントラスト AF のみのマイクロフォーサーズならずっとシンプルな操作になるだろうし、すべてのレンズで顔検出 AF をいちいちミラーアップしなくても利用できる。

というわけで現時点でデジカメの本命はマイクロフォーサーズとなったのだが、LUMIX G1 よりもレンズの 14-45mm、45-200mm にがっかりした。フォーサーズに対する一般的な不満は光学ファインダーの像が小さいこと以外では、撮像素子が小さいはずなのにその割にボディもレンズも小さくない、というのがある。ボディは E-410 / E-420 で十分小さくなったが今度はそれとバランスの良い小型軽量なレンズが少ない。ZUIKO DIGITAL 25mm F2.8 が売れたことを考えれば、交換レンズも含めたシステム全体の小型化が求められていることがわかりそうなものだが、45-200mm のあの大きさ、重さは LUMIX G1 でも小さすぎる程である。オリンパスがフォトキナ2008で展示したマイクロフォーサーズ機のコンセプトモックアップはかつての銀塩 135 ハーフサイズ一眼レフ Pen F と同等のサイズ、現行製品では富士フイルムの銀塩コンパクト KLASSE W / KLASSE S を少し薄くした感じだったので、交換レンズも当然小さくしてくるであろうと期待する。

ダブルフォーサーズで期待に応えたい (デジカメWatch、2008年 9月24日)

他にはデジタル一眼レフ全般への疑問として、プログラム AE って必要なのか?「インテリジェントオート」があるならそれと統合しちゃって必要に応じてプログラムシフトに移行できるようにしたらどうか?とか、銀塩カメラはフィルムを入れた時点で ISO 感度を決めてずっと固定してなければいけないけれども、デジカメはいつでも変更できる、なのに絞り優先 AE・シャッター速度優先 AE の操作感が銀塩カメラの頃とほぼ同じでいいのだろうか、とかあるが、これらはまたの機会に書くことにする。

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