AKB48は立ち止まって死にかけています

「AKB48は立ち止まったら死にます」と秋元康がよく言っているそうだが、今のAKB48は立ち止まって死にかけている状態である。シングル選抜メンバーを見る限りは。

●選抜メンバーが約2年間固定されている

今年もAKB48選抜総選挙があった。今年はシングル選抜メンバー16人となった。

今年2012年の結果: http://ameblo.jp/akihabara48/entry-11270743041.html

昨年2011年の結果: http://ameblo.jp/akihabara48/entry-10918551053.html

昨年と今年の1位~16位の顔ぶれを比較してみると、今年は前田敦子が辞退、昨年12位の高城亜樹が17位に落ち、代わりに横山由依と梅田彩佳が入ってきている。この2人以外の14人の顔ぶれは全く同じ。順位の変動はあっても。

もう少しさかのぼって、一昨年2010年10月発売のシングル「Beginner」の選抜メンバーを確認してみると、前述した14人に前田敦子、高城亜樹を加えた16人となっていた。その後、第1回じゃんけん選抜シングル「チャンスの順番」を挟んだ翌年2011年2月のシングル「桜の木になろう」も全く同じ16人が選抜メンバー。そしてその年2011年の総選挙1位~16位にこの16人が見事にぴったりと収まっていた。つまり

「Beginner」=「桜の木になろう」=2011年1位~16位

である。そしてこの16人に横山由依(2011年19位)とNMB48の山本彩を加えた18人が、2011年10月「風は吹いている」と2012年2月「GIVE ME FIVE!」の選抜メンバーとなっていた。

2010年秋のシングル「Beginner」もしくはその前の2010年総選挙結果反映シングル「ヘビーローテーション」からの “選抜入り常連組” というのが出来上がっていて、2010年8月~2012年8月までのじゃんけん選抜除くすべてのシングルに選抜入りするという状態になっている。「選抜総選挙」という名の通り、シングル選抜メンバーを選ぶためのファン投票なのだが、少なくとも2011年、2012年の総選挙はほとんど意味がなかったと言っていい。

●AKB48ならぬAKB16

昨年書いたことを繰り返すが、AKBは卒業を前提としたシステムである。今は暫定的にアイドルとして活動をし、芸能事務所へ移籍して、そのうちAKBから離脱して単独で芸能活動等をする、ということになっているはずである。AKBは私の解釈では、宝塚歌劇団とジャニーズJr.をモデルにした芸能人養成所でしかないと思っている。秋葉原の専用劇場で、養成所レベルのスキルの子たちをステージに上げて、今はまだ未熟ですがこれから成長していく姿を見守ってあげてください、というコンセプトにしてお金を取っている、という手法である。だから卒業して単独で活動できるようになってからが本当の芸能活動。

逆に言うと、すでに単独で活動できている人はどんどん卒業すべきである。AKB48という名の通り、本来は正規メンバーの定員は48人。最近はチーム4ができて64人、さらにチーム8まで作る予定らしいのでそうなると80人であるが、すでに研究生も合わせて89人いて、さらに14期研究生のオーディションも始まっている。卒業を予定しているのは前田敦子1人だけ。

卒業を促すために、単独で活動できる人をもっと増やす必要もあるのだが、そのためには選抜メンバーを入れ換えるなどして、より多くのメンバーを積極的にメディア露出して一般に認知されるようにすべきだと思う。でも今回の総選挙結果で新たに選抜入り常連組の仲間入りしそうなのは1人か2人しかいない。AKBは人材育成システムのはずなのにそれが機能してない。これならAKB48と名乗って48人以上集めることをせずに、最初からAKB16とでもしておけば良かったんじゃないか。

●「席を譲らないと上に上がれない」のは、たくさんの固定客を獲得したメンバーが居座り続けるから

麻里子様だから言える…「潰しに来い!」 (nikkansports.com、2012年6月7日)

AKB48総選挙:篠田若手挑発「つぶすつもりで来て」 選抜メンバー4~7位コメント集 (MANTANWEB、2012年6月10日)

「席を譲らないと上に上がれないメンバーはAKB48では勝てないと思います」

昨年も書いたのだが、篠田麻里子はすでに単独での活動が多く、もうAKBの肩書きなどなくても一人の芸能人としてやっていけそうに思う。なのにいつまでもAKBに在籍してその肩書きに依存して活動を続けている。前田敦子より先に卒業すべきだと思っていた。卒業すればチームAにもう一つ空席ができて、そこに研究生が昇格できる。AKBにおいて「席を譲る」というのは本来はそういう意味だ。正規メンバーが卒業しなければ研究生は「上に上がれない」。各チーム定員16人と決まっていてそのメンバーは人気投票で選ぶものではないから。

「悔しい力を、どんどん先輩たちにぶつけて、つぶすつもりで来てください。私はいつも待っています!」

後輩が篠田に戦いを挑んだとしても、戦う相手は篠田だけではない。全国に数万人いる篠田麻里子推しの人々とも戦わねばならない。誰かと戦わなくても常に「生意気な奴だ」とメンバーを叩く偉そうなAKBファンがたくさんいるのに、さらに篠田推しの数万人からも叩かれる覚悟ができるメンバーが果しているのか。数万人の盲目的な信者を味方につけた「麻里子様」と戦っても、公平なジャッジをできる人がいるわけがないし、初めから負け戦。戦ったメンバーに対して篠田が負けを認めても、数万人の「麻里子様」信者は決して認めないだろうし、次に総選挙があったとしたらやはり篠田が得票数で上回るだろう。

総選挙はメンバー同士が戦っているのではない。ファンの人数(と資金力)の多いメンバーが勝ってるだけ。たくさんの固定客を獲得した篠田のようなメンバーが多数居座り続ける限り、後輩は上に上がれない。選抜入りもできない。これではAKBはキャバクラ嬢と同じと言われても反論できまい。

●努力だけで何でもできるわけではない、周りの大人の助けが必要

「努力しなけりゃ始まらない」秋元康氏 たかみなスピーチに涙? (Sponichi Annex、2012年6月7日)

「努力しないと始まりません。私にとって努力は無限大の可能性です」
「もう一度言わせてください。去年と同じことですが、努力は必ず報われると私の人生をもって証明します」

いったん「努力」というキーワードを忘れてみようか。

才能がなければ、いくら努力してもプロ野球選手にはなれない。
効果的な学習法を知らなければ、いくら頑張っても東大には合格しない。

私はそう考える。メンバーの才能を発見して伸ばしてやるのは周りのスタッフであり、「効果的な学習法」すなわち正しい方向の努力の仕方を教えてやるのも周りのスタッフである。何でもがむしゃらに努力すれば夢が実現するというものではないし、高橋みなみ一人の力でどうにかなるものでもない。

そして前述の通り、選抜メンバーの顔ぶれは約2年間ほとんど変わってない。周りのスタッフはともかく、AKBファンの多数派は選抜入り常連メンバーしか見ていない。選抜入りしないメンバーはいくら劇場公演等で努力しても、観客は誰も見ていない、という状況になりつつある。

「努力は必ず報われると私の人生をもって証明します」と言っても、高橋みなみほどに注目されているメンバーならそれが可能だが、AKBに5~6年在籍していて総選挙で一度もランクインしたことがないメンバーもいるのである。そういう人がいくら努力しても誰も見ていない。今はAKB全体が注目されているからいいが、これからブームが終息していくとそうなるだろう。

●抜擢はあるか?

もう一度今年と昨年の総選挙結果を見てみると、今年1位の大島優子と3位の柏木由紀は昨年より得票数を減らしている。昨年の大島優子は前田敦子と1位争いをしていたので、大島優子に大量投票したファンが多く、今年は前田敦子がいないのでそれが減ったと思われるが、柏木由紀が得票数を減らした理由がわからない。他のメンバーは選抜16位までだけを見るとおおむね得票数を増やしているのだが。いわゆる「推し変」ではなく、やはりAKBのブームは終息しつつあるということなのか。総得票数は昨年116万6145票、今年138万4122票と約22万票増加しているが、今年はHKT48も参加し、SKE48・NMB48からのランクインも多かったので、AKB48以外の姉妹グループが得票数を増やしたと考えられる。

AKBのファンはもうこれ以上増えない、もしくは飽きられているということか。一縷の望みとして、今年は選抜を21人から16人に減らしたので、総選挙結果反映シングルの次のシングル、秋に発売されるであろうシングルではもう少し選抜メンバーを増やせる余地がある。そこで大胆な抜擢を行えるか、2008年秋発売のシングル「大声ダイヤモンド」の時の松井珠理奈のような新人を起用して、これから数年かけて育てていくという方針を打ち出せるかである。ただ4年前と現在とでは状況が違いすぎる。なぜそんなに順位が下の若手を選抜入りさせるのか、というファンからの猛烈な反発が起こるだろう。昨年までの「アンチ前田敦子」どころではない、徹底的なバッシングに遭うだろう。それでも抜擢できるのかに注目している。

●しょせん「コップの中の嵐」

最後に、そもそもAKB総選挙なんてものは、AKBファンであってなおかつお金を出して誰かに投票しようと思った人々によるランキングでしかない。AKBファンであっても投票しない人もいる。私は今年も投票しなかった。理由は一人で大量投票できてしまう仕組みはフェアじゃないと考えているから。一人一票とは言わないが、上限3票程度までにしてほしい。「真夏のSounds good !」も買って聴く気にならない曲だったし。

それに卒業後の芸能活動のことを考えたら、AKBに関心のない人々に認知され評価される方が重要である。AKBに関心のない人々によるランキングは総選挙には全く現れない。前田敦子はAKBでは人気1位だったが、AKBから出ていくとどう評価されるかわからない。それは他のメンバーも同じ。だから篠田麻里子の「つぶすつもりで来てください」はただの内弁慶、AKBでは上にいても外に出たらどうなるかわからないのである。

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