過去の歴史を変えたいと思うか

読んだ本の感想を書こうと思っていたが、ただ面白かったというだけでは公開する意義がないので、面白くなかった小説のことを中心に。

山本弘『去年はいい年になるだろう』、PHP研究所・PHP文芸文庫、2012年

同じ作者による『アイの物語』(角川文庫、2009年)への言及があったので、先に読んでおいて良かった(昨年9月24日の記事)。

R・C・ウィルスン『時間封鎖』やR・A・ハインライン『異星の客』をすでに読んでいた者としては、この程度の思想・世界観・人間観で書かれたSFは二度と読みたくないと思った。

AIアンドロイド「ガーディアン」を作ったのは未来の人類だろう。未来の人間が過去の歴史改変を望むだろうか?自分が生まれてこなくなるかも、などのタイムパラドックスを無視しても、最初からそれが納得できなくて、ずっとイライラしながら読んだ。最後になって主人公もやっと気付いたようだが。(下巻の内容紹介文「歴史を変えてくれと誰が頼んだ?」)

どうもこの人の考え方は自分には合わない、と思っていたら、作中のどこかに「無神論者」とあってそのせいかもしれない。不可知論者ならまだしも無神論者というのは信用できない。ドストエフスキー『悪霊』を読んでそう思った。

そこそこ面白そうな部分もあることはあるが、安っぽい面白さというか。ともかくこの程度の思想・世界観・人間観で書かれたものが星雲賞・日本長編部門受賞だなんて、日本人作家のSFってレベル低いのか?それとも私の感覚がおかしいのか。人はなぜ宗教的なものを求めるのか、ということをよく考えてほしい。

ロバート・チャールズ・ウィルスン『時間封鎖』、茂木健訳、東京創元社・創元SF文庫、2008年

ロバート・A・ハインライン『異星の客』井上一夫訳、東京創元社・創元SF文庫、1969年

『異星の客』の前半は哲学的な話も出てきて、これがなぜアメリカでヒッピー族の聖典として支持されたのかと思ったが、後半にはカルト宗教団体の話になってなるほどと思った。

ドストエフスキー『悪霊』、江川卓訳、新潮文庫、1971年

広告

コメントを残す

以下に詳細を記入するか、アイコンをクリックしてログインしてください。

WordPress.com ロゴ

WordPress.com アカウントを使ってコメントしています。 ログアウト / 変更 )

Twitter 画像

Twitter アカウントを使ってコメントしています。 ログアウト / 変更 )

Facebook の写真

Facebook アカウントを使ってコメントしています。 ログアウト / 変更 )

Google+ フォト

Google+ アカウントを使ってコメントしています。 ログアウト / 変更 )

%s と連携中